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大平 茂; 多田 栄介; 羽田 一彦; 閨谷 譲; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 鶴 大悟; 石田 敏勝*; et al.
Fusion Science and Technology, 41(3), p.642 - 646, 2002/05
ITER日本建設のため準備されている安全規制の枠組みに関し、科学技術庁の技術顧問会は「ITER施設の安全確保の基本的な考え方の確立について」に、その技術的見地からの考え方を示した。この報告書では、ITERにおける安全確保の目標を、一般公衆と作業従事者を放射性物質による放射線障害から守ることとしている。そのために、核融合反応の受動的終息性や、低い崩壊熱密度等の、ITER施設の安全上の特徴を考慮して、安全設計と安全評価における技術的要件としての基本的な安全性の原則及びアプローチを定めた。すなわち、上記の目標を達成するため、平常運転時におけるALARAの原則の履行,放射性物質を内蔵する機器の構造健全性の確保による事故の防止を行い、コンファインメント施設を設けることで万が一の事故時でも環境中への放射性物質放出を抑制し公衆の過度の放射線被ばくを防止する。ここでは日本における安全性の原則,考え方,技術基準に基づくトリチウムの安全設計概念等について述べる。
稲辺 輝雄; 関 昌弘; 常松 俊秀
Fusion Engineering and Design, 42, p.7 - 12, 1998/00
被引用回数:5 パーセンタイル:44.27(Nuclear Science & Technology)核融合炉の認許可に耐え得る安全性を確保する観点から、測定される安全原則、安全要件、信頼性確保のための問題点及び必要なR&Dを述べる。安全確保のための基本原則としては、深層防護とALARAの原則が核融合炉の場合にも不可欠と考えられ、特に深層防護の概念に基づく核融合炉のための具体策を例示する。また、同概念に基づく設計の妥当性を確認するための安全解析上の留意点を示す。さらに、使用する材料の信頼性と実証性のあるデータベース、適切な構造設計基準、供用中検査への設計上の配慮、安全解析で仮定する機器の性能や被ばく評価にかかわるソースタームの担保、解析コードの検証等の重要性を指摘し、核融合実験炉ITERの工学設計活動を中心として国際的に進展中のR&D活動に言及する。また、低放射化材料の廃棄物にもたらす優位性を概説し、今後の展望を示す。
稲辺 輝雄
プラズマ・核融合学会誌, 73(8), p.812 - 819, 1997/08
従来の核融合実験施設やトリチウム取扱施設よりも大規模な核融合施設は、現行の放射線障害防止法による規制では求められていない深層防護とALARAの原則に基づく安全設計が必要と考えられる。ここでは、この二つの原則の考え方を解説するとともに、これらの原則を踏まえた国際熱核融合実験炉ITERの安全設計方針及び米国エネルギー省の磁気核融合施設に対する安全要求の主要な内容を解説する。また、今後国内で核融合施設の安全設計要求を検討する際に留意すべきと考えられる安全評価と安全設計との関連等を解説する。
吉澤 道夫; 百瀬 琢麿*
保健物理, 31(4), p.430 - 433, 1996/00
国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告は、適切な放射線防護の基礎となる基本原則について、規制当局を含めた放射線防護の関係機関や専門家に指針を与えるものである。ICRP勧告は、基本勧告とそれらを補う種々の報告書から構成される。これらは、いずれもその時点の最新の知見、概念を整理された形で示したものであり、またその後の放射線防護の発展を促す基礎を与えてきた。本稿では、ICRP勧告から学んだもの、影響を受けたもの等について、最初に主に放射線防護の理念と基本的な枠組み及び線量評価の観点から述べ、次に、実際の放射線管理に携わる者の立場から内部被ばくの防止、ALARAと被ばくの低減化、放射線防護の最適化、潜在被ばくに焦点を当てて述べる。最後にICRPに今後期待することとして、国際機関との関係、線量概念、内部被ばくモニタリング、及び潜在被ばくについて述べる。
吉田 浩; 成瀬 日出夫; 大川 慶直; 浅原 政治*; 横川 伸久*; 胤森 望*; 堀切 仁*
JAERI-M 93-136, 117 Pages, 1993/07
核融合実験炉の運転、保守、交換に伴って大量の液体及び固体廃棄物が発生する。本報告書ではITER/CDAの設計条件を想定し、各種放射性廃棄物処理設備の構成、主要機器及び専用建家等について概念設計を行った。主な項目を以下に列挙する。(1)原子力発電所における低レベル放射性廃棄物処理法、(2)実験炉1次冷却水トリチウム低減化設備、(3)炉建家トリチウム安全設備で発生するトリチウム廃液の濃縮・減容設備、(4)低レベル固体廃棄物処理設備、(5)高レベル固体廃棄物移送設備、(6)放射性固体廃棄物貯蔵設備、上記設備はいずれも大規模となることから、実験炉工学設計段階においては廃棄物発生量の低減化を目指した炉心及び建家設計が重要となることが定量的に把握された。
岡崎 隆司*; 関 泰; 稲辺 輝雄; 青木 功
JAERI-M 93-112, 122 Pages, 1993/06
核融合実験炉の安全確保の方法について提案する。核融合実験炉の安全上の特徴を踏えて、安全確保の考え方として、通常状態に対してはALARA(As Low As Reasonably Achievable)を、通常状態からの逸脱に対しては深層防護の考え方を用いることにする。この考え方に基づいた本方法は、機器の安全設計、この安全設計に対して安全上の見地から適切な要求を課すための安全機能の重要度分類の方法とその適用例、これらの妥当性を確認するために行う安全評価のための事象抽出法とそれを適用して求めた設計基準事象例等から構成されている。この一貫した方法で、核融合実験炉の安全確保は得られる見通しで、この方法は安全確保の有力な方法の一つになると考える。